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シリコンバレーと日本の違いはソーシャル・キャピタルの違い?

昨日書いた「ソーシャル・ベンチャー(社会貢献を目的としたベンチャー)は何故、自己啓発・ロハスなどニューエイジ系に傾倒するのか」でも引用したシリコンバレーの強みはソーシャル・キャピタルが形成されていることという以下の記述について、やはりこれが強いんだなーと思う。

概論 ソーシャル・ベンチャー」(P137)
カリフォルニア州サンタクララには、スタンフォード大学、カリフォルニア大学といった教育機関、ヒューレット・パッカード、インテル、シスコなどの大手ハイテク企業に加え、数多くのハイテク・ベンチャー、それらを取り巻く法律・財務会計・人材関連のアウトソーシング・サービス、さらには多くのベンチャー・キャピタルやエンジェルが集積している。新しいハイテク技術や製品を次々と生み出し、数多くの成功した起業家を輩出し続けている。
シリコンバレーで重視されているのは、人的ネットワークである。優秀な研究者、技術者、起業家予備軍、有能なベンチャー・キャピタリスト、ビジネスで功成り名を遂げて後進の起業家予備軍を支援するエンジェルが、産学の垣根を越えてネットワークを作っている。ソーシャル・キャピタルが形成されているのである。
概論 ソーシャル・ベンチャー
概論 ソーシャル・ベンチャー
神座 保彦

シリコンバレーに実際このようなソーシャル・キャピタルが形成され効果を発揮しているかどうかは分からないのですが、少なくとも日本ではこのようなソーシャルキャピタルは形成されていないか、いるとしても多くの人たちには見えないですよね。

例えば何かしらビジネスモデルを思いついたとして、自身に特段の技術力がない、あるいは一人で作るにはちょっと大き過ぎるときに、一緒に起業してくれる技術者を探したり、いざ起業しようとしたときに後々付き合う司法書士、税理士、社労士、弁護士もろもろの専門家を選んだりってどうしてるの?多くの場合個人的なツテをたどって友人を口説くとか、専門家なら親戚の司法書士やってるおじさんとか、学生時代の友人とかか、まったくツテがなければgoogleで「会社 設立」とかで検索して、1〜2ページ目ぐらいまでに出てきたサイトの料金とサイトの内容を比較して電話する感じですよね?で、いざ起業してみたとして日々の経理処理は毎月領収書や請求書の山に埋もれながら、とりあえず市販の経理ソフトに打ち込んで、仕訳がわかんなくて税理士に聞いて、言われたとおりに入れて、で、年度末になってみたら間違いがみつかって一気にいろいろ修正しないといけなくなったり、あるいは従業員雇ったは良いけど、給与支給日を特に何も考えず前職と一緒にしてみたら月末月初にに作業が集中してテンパッたり、しょっちゅう変わる社保の税率に振り回されたり、あるいは契約時の契約書の書式どうやって作ろうか、とか、そういうので時間取られて、さぁ大変って言ってたら、気がつくとキャッシュフローがあれれれれ、とかなって、融資してもらいたいんだけど、どうすれば・・・と途方に暮れたりしちゃうんですよね。いや、あくまで例です。

技術者、研究者、ビジネスパートナーを探す、事務をアウトソーシングする、専門家に相談する、と言ったネットワークが起業家個人のネットワークに強く依存していて、それが無いとなかなか起業まで辿り着かない、あるいは起業してもなかなか成長させられないって側面あるんじゃないかなぁ。

で、日本で、こういうソーシャル・キャピタルを持っているのは大企業群で、ある程度成長過程に入ったベンチャー企業が、資金需要は特に無いのだけど、ソーシャル・キャピタルの不足を補うために資本を受け入れて子会社化していくというのは比較的あるんじゃないかなと思います。インターネットの知財関連に強いのは○○先生とか、社労士の○○先生なら○万円でかなりなんでもやってくれる、とか、そろそろ従業員50人超えたので産業医選任しないといけないんだけど、それなら○○先生がオススメ・・・とか、バックオフィスのノウハウとか、業務フローの整備とか、法的に適法な体制作りのノウハウとか、そういうのを支援する、ベンチャー企業がほしいソーシャル・キャピタルを幅広く持ってる。

起業家個人のネットワークだけに依らず、大企業の子会社になった時に得られるようなソーシャル・キャピタルの恩恵を誰でも得られるような体制が整うと、たぶん起業家はもっと増えてさらに独立独歩で成長していくことが出来る企業が出やすいんじゃないかなぁと思う。(実はあってみんなバリバリ利用してるんだったらごめんなさい)

でも、なかなかこういうノウハウやネットワークって表に出てこないんですよねー。「父と子の隠し合い」って山本七平も言ってたけど、隠さなくても問題ないことでも会社に関することは極力隠すのが社会人としての美徳だから文化的に難しいんだろうな。企業で秘密にしないといけないことなんて、実はそんなに沢山無いはずなのになー。


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