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日本教の正体を炙り出す上で押さえておきたい17冊

日本教を語る上で欠かせない3冊 - アンカテ

こちらの記事に便乗して、「日本教の正体を炙り出す上で押さえておきたい17冊」を紹介してみたいと思います。

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))「世間体」の構造  社会心理史への試み (講談社学術文庫 1852)ほんとはこわい「やさしさ社会」 (ちくまプリマー新書 74)「はかなさ」と日本人―「無常」の日本精神史 (平凡社新書 364)日本人は「やさしい」のか―日本精神史入門 (ちくま新書)日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)異形の王権 (平凡社ライブラリー)忘れられた日本人 (岩波文庫)〈悪口〉という文化日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)日本という方法―おもかげ・うつろいの文化 (NHKブックス)日本流―なぜカナリヤは歌を忘れたか神話と日本人の心日本宗教史 (岩波新書)神仏習合 (岩波新書)仕事と日本人 (ちくま新書 698)神と自然の科学史 (講談社選書メチエ (345))

日本教の提唱者山本七平の「「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))」は当然マストとして「世間体」の研究の先駆者井上 忠司の「「世間体」の構造 社会心理史への試み (講談社学術文庫 1852)」では世間、ミウチ、ナカマなどの日本的構造が明確にされています。また新進気鋭の社会学者森真一の「ほんとはこわい「やさしさ社会」 (ちくまプリマー新書 74)」はぜひ読みたい一冊。共同体の解体によって空気を重視するコミュニケーション形態が緊密化する様子を分析しています。さらに竹内整一の二冊は両方読むと良いです。「「はかなさ」と日本人―「無常」の日本精神史 (平凡社新書 364)」ははかなさをキーワードに夢の外へ、夢の中へ、夢と現のあわいへという三つの価値観を明らかにし、「日本人は「やさしい」のか―日本精神史入門 (ちくま新書)」では平安の昔から現代まで続く日本人がもっとも重視する行動規範「やさしさ」を分析。網野善彦の「日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)」と「異形の王権 (平凡社ライブラリー)」によって南北朝ののターニングポイントで起きた日本社会の変質の様子と、現代とはそこから続く長いタームの末期にあるという社会状況、価値観の流れがよくわかります。宮本常一の「忘れられた日本人 (岩波文庫)」もおさえておくと、昭和初期の移り行く過程の農村の様子が把握できます。また山本 幸司「〈悪口〉という文化」は世界の様子も書かれていますが悪口という切り口で日本社会が「武士」と「庶民」の二つの文化の大きな流れがあることが把握できますね。内山節の「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)」は最重要の一冊。1965年の革命と著者が名付けた、旧来の農村共同体の解体が多角的に解説されていて、思わず唸る感じです。松岡正剛の「日本という方法―おもかげ・うつろいの文化 (NHKブックス)」「日本流―なぜカナリヤは歌を忘れたか」を読むことで、視野の広がりが体感出来る感じかなと思います。日本教的文化理解のきっかけにするのに良い二冊。河合隼雄の「神話と日本人の心」は先生持論の「日本の中空構造」をさらにブラッシュアップして晩年になって日本社会・文化全体に視野を広げた一冊。最後ちょっと尻すぼみ感ありますが、中空構造はたぶん日本教のコアになりそうな視点。「日本宗教史 (岩波新書)」「神仏習合 (岩波新書)」の二冊は日本の宗教史を押さえておくのにわかりやすい二冊。どちらも新書で読みやすいです。「仕事と日本人 (ちくま新書 698)」は明治から現代にかけての日本人の仕事観の変遷が着実に押さえられた一冊。最後の「神と自然の科学史 (講談社選書メチエ (345))」は「自然」という訳語の日本と欧米の違いと、その明治期の導入をめぐるあれこれを描いている一冊。自然科学と日本的科学観との二重構造の誕生過程が描かれていて、まさに日本教の誕生の一端が窺い知れます。

このあたりをがーーっと押さえておくと、「日本教」と山本七平が名付けた日本特有の文化社会観をおぼろげながら把握する端緒になるのではないかなーと思います。つまり明治に生まれた西洋と日本の二重構造によって生まれた文化社会宗教観ですね。

でも、これだけではなかなか見えてこないところが多くあって、「日本教」が現代に及ぼす影を考えるとき三つのターニングポイントがあるかなと。一つは明治期に導入された二重構造を把握する上で「明治六年の政変(→明治六年政変 - Wikipedia)」とはなんだったのか。そこから始まる天皇親政がアレなんだよなと。もう一つが内山節(→Kousyoublog | 「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」内山節著)が名付けた敗戦から「1965年の革命」までの農村共同体の崩壊と日本の統一。(そう、日本は社会的には統一されて40年しか経っていない)最後は1995年の経団連発表『新時代の「日本的経営」』によって、実質会社がイエ的共同体の役割を放棄したこと。この三つのターニングポイントは歴史・文化・社会的になんだったのかを見ないと「日本教」の正体は炙り出されてこないんじゃないかなーと思います。

ここ一年ばかり、このあたりのことは追っかけているつもりなんですが、素人が片手間にやるにはなかなか難しいなぁという感じありますが、地道に続けたいなぁと思う今日この頃です。


関連エントリー
Kousyoublog | 「「空気」の研究」山本七平著
Kousyoublog | 「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」内山節著
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