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読書は役に立つのか?という問いについて

本を読まない人間
本を読まない人間を軽蔑していた。
こいつまったく勉強する気がないな、と。
私自身、月に20??30冊は読む。
けど、本を読まない人間にいくつか反論されて、言い返せなかった。
いわく、「そんな本読んでなんの役に立つの?」
確かに読んでも役に立たない本も多い。そんなにバリバリ読む必要はないのではないかと思う。
いわく、「勉強してる気分になりたいだけなんじゃないの?」
読みたいから読んでいるんだが、なぜ読んでいるかと聞かれると、読んでないことが不安だから、勉強し続けてないと不安だから、というのもあるように思う。
いわく、「実体験から積み上げたものじゃないと信用できないよ」
これはどうかと思う。ただ、生活に生かせない読書をしてもしょうがない、というのであれば、まあ一理あるかもしれない。
そう考えていくと、本を読む自分を自己肯定したいだけなんちゃうんか、と。
読む冊数、減らそうかな・・・。
本を読みすぎること自体、自分で考えることを放棄しているんじゃないかと自問することもしばしばだし。

読書は一つは物語世界に埋没する中で自分の生き方を模索することである側面と、先賢の知恵に触れ対話する側面とがあるんじゃないかと思うのだけど、それ以上に実に実体験的なのは集中力の高まりかなと思う。

本を手に取りページを開き目の前いっぱいに白地に文字が浮かび上がってきてそれしか見えなくなり、その本の世界に一面覆われていく・・・と言う集中力の高まりを生み出すが故に、知識と物語とに向かい合うのに良いツールの一つだと思う。同様の体験は例えば比較的少人数でお行儀の良い人が集まった映画館で暗転しさぁ、映画が始まる!という瞬間や、両脇を陽射しや雑音を遮断するほどに鬱蒼と繁る樹木に覆われた参道を少しずつ歩いていく時に似ている。

そういう感覚の中で、本の中の文章と対話するというのはとても実体験的なんだけど、というかなかなか実体験でも味わえない感覚ですらあるのだけど、まぁ、主観的過ぎるので伝わる人にだけ伝わればいいかみたいな言い回しになってしまうな。

また、以前書いたのだけど(→Kousyoublog | 「個人を追求していくと、歴史に行くしかないんじゃないか」)、村上春樹が言っていた「個人を追求していくと、歴史に行くしかないんじゃないか」というのをとても実感していて、今ある自分を実感あるものとして捉えるためには、歴史の流れの中の自己を捉える必要性に駆られていて、そのためにはどうしても読書を通じて過去に触れることが重要になる。

本を読むときの集中力の高まりに対する抗いがたい魅力と、今を生きるために過去を知りたいというちょっと切実というか病的な欲求が、僕を読書に向かわせているのだが、それはちょっと異常だなーと自分でも思う。

読書は役に立つかという疑問は、役に立つ本もあれば役に立たない本もあるが、役に立ちそうな本ほど役に立たず、何の役にも立ちそうもない本が長い目で見ると役に立っていたことに後で気付くこともある。しかし気付かないことも多いし、役に立たなさそうな本が本当に役に立たないことも当然あるという、なんとも曖昧で禅問答的な答え方になってしまうんじゃないかなー。

現代の少々前のめりがちでスピード重視な価値観によって生まれた、役に立たないことに時間を費やし、人生を無駄にすることを恐れてしまうという傾向が、役に立つかどうかで読書の価値を判断することに繋がっているんだと思います。何故本を読むのか、読書は役に立つのか、という問い自体がとても現代的な気がする。単純な本を読みたいと言う思いと、役に立つのか?という現代の価値観から来る問いのギャップに戸惑う人はこれからも多く現れざるを得ないのだろう。


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本を読まない人間 このエントリを一読して、この増田さんの問題意識の奥には、大昔から続いている(らしい)「実学と虚学論争」と同じ構造があるのでは・・・?という気がしました 本を読まない人間 本を読まない人間を軽蔑していた。 こいつまったく勉強する気がな
| in te redi | 2008/09/07 3:35 AM |
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