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解雇されたので起業します

タイトルの通りですが、簡単な経緯など。

■解雇の経緯

解雇された、というのは一般的にはネガティブ情報と捉えられるのでオープンにしないという選択肢も考えたのですが、それを書かないと何故今起業しようとするのかという疑問に答えられないし、また、今後色々な人とお会いしていく過程でこれまでのキャリアの話になったときにその都度ごまかさなければならなくなるし、実のところ、解雇されたことをオープンにしないという選択は目先の利益を追うあまり、長期的にはあまり良い選択ではないなーと思ったので、書くことにしました。

経緯としてはとてもシンプルで、4月末のある日、風邪をこじらせて二日休み、三日目の朝上司に午後から出社する旨メールで連絡すると、「もう来なくて良い。今日付けで処理する」とメールで唐突な通告。「解雇ということですか?」「どちらでもいいが、あなたのキャリアに傷がつくので自己都合の方がいいですよ」「いえ、退職するつもりは無いので解雇されるつもりなら解雇通知書と解雇理由書を送ってください。その上で対応検討します。」

というやり取りのあと送られてきた解雇理由によると、勤怠不良による懲戒解雇とのこと。裁量労働制での勤務であるため、欠勤と言う概念がそもそも生じにくいのではないか?というのと、懲戒解雇は通常所轄労基署長の認可があって始めて可能であるが、病欠が懲戒解雇にあたるという訳も無く、また、それを理由に労基署長の許可が下りる可能性はほぼ皆無なので(なにせ逮捕された者ですら懲戒解雇にできない場合が多いぐらい)、これは労基署に申請せずに懲戒解雇を使ってきたのだな、と思い、すぐに内容証明で懲戒解雇の無効および解雇予告手当の請求を送付。会社は普通解雇に切り替え、解雇予告手当30日分を支給するということになり、4月末で解雇、という流れです。

まぁ、労働法の基本的なお話で言うと試みの使用期間14日は過ぎているし、普通解雇の要件すら構成出来ないことは明白なのですが、一応それを受けて今に至るという状況です。このあたり、会社の対応は労働法的に穴だらけなので、僕ならもっと上手くことを運ぶんだけどなぁ、と当事者であるにも関わらず色々アドバイスしてあげたくなって自分で笑ってしまった。たぶん社会保険労務士や弁護士等専門家にすら相談していないのではないだろうか?

■なぜ解雇にまでいたったのか?

何か人間関係が上手く行っていなかったのではないか?とか、僕が法を盾にやりたい放題していたのではないか、とか、あまりにも僕が無能であったのではないか?など疑念を抱かれるかと思いますが、自分としてはそういうことは無いんじゃないかと思っていたんですよねー。ただ、比較的、上司が期待していたほどのパフォーマンスは必ずしも発揮できていなかったようにも思うので、痺れを切らした可能性も無きにしもあらずですが、どちらかというと自己主張は少なく素直に色々聞くようにしていたように思います。人間関係も、特に誰かともめたわけでもなく、仲は良かったし、法的側面についても、未成熟な組織であれば往々にしてある事柄がほとんどだったので、特に殊更声を上げた訳でもないし。

何が上司をそうさせたのだろうか、と少し考えていてある日ああ、そうかもしれないという発見をした。上司はとあるところでブログを書いているのですが、僕と上記のメールのやり取りをした日の夜に書いていたブログの内容をざっくり意訳すると「欠勤しているのにブログを書くような奴は仕事中も手を抜くに決まっているので、会社にとって"悪"だ。組織に伝染する前に"ひねり潰す"」的なことがと書いてあった。

確かに欠勤中に布団の中からブログ書いたりはしてた。それが適切だったのか、適切じゃなかったのかわからない。僕はそれは問題ないことだと思うが、賛否両論あるだろう。で、ブログ自体は教えていなかったけど、なんらか検索してたどり着き、それを見た上司が僕に「悪」を見た。おそらく、入社してから20日あまりの僕の行動にも何らかの小さな不満をいくつか持っていたのかもしれない。それらが重なり合って僕を「悪」と考えた。その「悪」は会社組織と言う名の共同体に伝染する可能性がある、と彼は考え、それをなんとしても"ひねり潰す"=取り除かなければならないと彼は決意したのだろうか。

この心理は典型的な日本人性とでも言うような思考過程のように思った。ケガレを共同体から取り除く、ということなのか。上司は一見、振る舞いも仕事もとても常識人で、有能と言って良く、考え方もシビアに物事を切り分けて考える人であったように見えたので、そういう普通の人の中に横たわるこのような心理は実に興味深いと思うとともに、これまで日本人性だとか共同体だとか空気だとかを色々興味を持って調べたりしていながら、当然のごとく人々の中に存在していることに気付かなかったことは大いに反省しなければならないなぁと思う。

この共同体性は多くの場合、法の規範よりも圧倒的に重視されるというのは理屈ではわかっていたけれど、この社会で生きる以上、その共同体性みたいなものに敏感でないと、時に人は不条理で、不合理とも言える行動を起こそうとするということが身をもってよくわかった。

さて、これからどうするかなのだけれど。

■起業します

実際、次の就職先を探そうかとも思ったのだけれど、前々職、前職の就職活動で、転職エージェントのべ50社弱、エージェントと媒体や直接応募など様々な手法で前々回51社、前回63社に応募してそれぞれ一社づつだけの合格だったので、今回転職活動をするなら100社近くに応募し、かつ最低でも3ヶ月程度かけても一社採用されるかどうかだろうなという感覚があり、かつ僕の経歴から考えても採用される確率はかなり少なくなっていると思う。僕が企業の人事担当者なら、僕を採用するかどうかはかなり躊躇するな、と客観的に考えても思う。また、これはちょっと自分でも失敗したなーと思うのだけれど、解雇の場合、雇用保険の受給対象期間は六ヶ月からなのだけど、僕の場合5.5ヶ月であと一歩足りなかった。さらに長期的な転職活動に耐えられるほどの蓄えも、もうない。という状況。

ならば終わりの見えない消耗戦的な転職活動に注力するよりも、自分で仕事を作り出すことを考える方が活路が見出せるんじゃないか?と。

これまでの人生を振り返ると、何かに自身のすべてを、身を差し入れたときに初めて、好転してきたように思っているので、これからはインターネットそのものに身を差し入れることで活路を見出す必要があるんじゃないかという思いがあります。そこで自身について読んでもらえるかどうかは別にして、これまでの僕自身のことを極力さらけ出してしまえという趣旨で書いたのがここ数日のエントリーで、僕にとっては、イニシエーション的な意味合いがあったので、思っていた以上に多くの人に読んでいただけて恐縮です。

僕についての簡単な個人史その1(誕生から大学卒業まで)
僕についての簡単な個人史その2(大学卒業から現在まで)

正直、僕ができることというのは少なくて、ブログを書くことと総務・事務・法務・労務的な知識と経験をほんの少しだけ持っているということぐらいでしかない。その僕ができるささやかなことを提供できないだろうか?と思い、まずは特にベンチャー企業などを中心とした様々な「事務の受託」や、情報発信、他僕に求められる様々なことに応えていくことで生計を立てて行ければと思います。思いとしては以前かいた「4月から組織人事コンサルタントに転職しました」と特に変わりはないですね。

そのためには、どれだけのことを僕が提供できるか、提供し続けている様子を見てもらえるかにかかっているので、WEB上に僕ができるすべてのことを出し続けていきたいと思います。

ただ、起業すると言っても、そもそも資金どころか、生活費すら数ヶ月で底を尽きそうな感じなので、公的融資を申請しようとしていて、無理ならバイトとかしながらでも進めていかないとな。という状況ではあるんですが、そこはなんとしてでもと。

最後に、これから進んでいく過程は正直全く見通しが立っていなくて、勝算ねぇなーという思いがとてもある。で、先日宮本常一の本を引用した「見通しもきかぬ道を行くときは歌を歌え。誰かが聞いていてくれる」という記事でも書いたけれど、このブログは僕がこれから見通しもきかぬ道を行くために、張り上げる歌のような役割を担うことになるんだとおもう。

「忘れられた日本人」(P25-26)
こういう山の中でまったく見通しもきかぬ道を、あるくということは容易ではないという感慨を述べると、「それにはよい方法があるのだ。自分はいまここをあるいているぞという声をたてることだ」と一行の中の七十近い老人がいう。どういうように声をたてるのだときくと「歌を歌うのだ。歌を歌っておれば、同じ山の中にいる者ならその声をきく。同じ村の者なら、あれは誰だとわかる。相手も歌をうたう。歌の文句がわかるほどのところなら、おおいと声をかけておく。それだけで、相手がどの方向へ何をしに行きつつあるかぐらいはわかる。行方不明になるようなことがあっても誰かが歌声さえきいておれば、どの山中でどうなったかは想像のつくものだ」とこたえてくれる。私もなるほどなぁと思った。と同時に民謡が、こういう山道をあるくときに必要な意味を知ったように思った。
忘れられた日本人 (岩波文庫)
忘れられた日本人 (岩波文庫)
宮本 常一

歌い続けようと思っています。転がっていく岩を追いながら。

ということで、次のエントリーで新たに始めるサイトを紹介します。

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