2010.01.14 Thursday19:44
「プリシラ」ステファン・エリオット監督
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元気が出ます、必ず
子供のころから探していた映画ある日、シドニーに住むドラァグクイーンのミッチ(ヒューゴ・ウィーヴィング)の元に掛かってきた一本の電話から、ミッチと、最近恋人を亡くしたベルナドット(テレンス・スタンプ)、陽気なフェリシア(ガイ・ピアース)の三人のドラァグクイーンは大型バス"プリシラ"を手に入れオーストラリア北部の都市アリススプリングスに地方公演のための長い旅に出る。
その砂漠を横断する長い長い旅の過程で、さまざまなトラブルがあり、出会いと別れがあり、時に差別や偏見にも直面していきながら力強く生きていく、あるいは生きてきた様子が美しい映像と出演陣の名演技によって描かれていく。
特に印象的だったのは、とある田舎の町で調子に乗ったフェリシアが町の男たちを挑発してしまい、取り囲まれてしまいながら間一髪助け出された後、ベルナドットが彼に語りかけるセリフ。
ヘンね。都会はイヤだとさんざ、グチったけど・・・我々には都会しかないのよ。都会の壁がここにいる連中から我々を守ってくれるんだわ。さあ、元気を出して。ののしられて強くなるんだから。男が女になるのはラクじゃないのよ。
都会は確かに他者にあまり強くコミットしないので、マイノリティでもあまり干渉を受けずに生きていけるし、多くの人がさまざまなポリシーの元で生活しているので多様性もある。しかし、ドラァグクイーンという生き方はそのように都会に埋没して生きる生き方ではなく、都会の中にあって強く自身を表現し注目を集めていかざるをえない業を背負ってもいる。そういうアンビバレントな、さまざまな思いがとても伝わってきた。
そして、そういう業を背負っているが故に、「都会の壁」以上に「良き理解者の紐帯」が彼らが生きていく上で必要になっていくのだろう。"プリシラ"の旅は各々が「良き理解者」と出会う旅でもある。ラストの良き理解者の前で見せる最高のパフォーマンスはドラァグクイーンとして表現する喜びに満ちたとても楽しいものだった。マンマミーア!
あと、余談だけど、この作品でも何度となく使われている曲にグロリア・ゲイナーの1979年の大ヒット曲"I wll survive"がある。後にダイアナ・ロスやその他有名アーティストがカヴァーして長く親しまれた名曲で、哀歓たっぷりなメロディと歌詞で印象的なのだけど、有名な映画はもちろん社会的マイノリティ、あるいは一般人から少し外れた人たちを扱った映画まで幅広くさまざまな映画作品に良く使われているように思う。
さまざまな映画で耳にし、そして聴くたびに耳に残るこの曲は、もしかして思っている以上に欧米の、特にマイノリティの人たちの心に強く突き刺さり、共感をもたらしているんじゃないだろうか?とちょっと思ったりしているんだけど、この辺詳しい方がいらっしゃったら教えて欲しい感じです。やはり一人でも生きていかなければならない決意と悲しみみたいな歌詞が、特に欧米の人々に強く訴えかけるんでしょうか。
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